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Last update: January 9th, 2006.
「あれ?あの曲なんだっけ?」というときに、はなうたでその曲のタイトルを見つけるシステムが、「はなうた検索」です。
鼻歌で曲名当てます!という有名なラジオ番組の内容をケータイ電話で実現するものです。
「はなうた検索」は「モバイルプロジェクト・アワード2005」という、携帯業界では、非常に名誉ある賞において、株式会社スウィング、ウタゴエ株式会社として「優秀賞」を頂きました(ニュースリリース)。
「おさいふケータイ」、「着うたフル」などの有名なシステムと並べて頂いて、本当に光栄です。
このはなうた検索のエンジンは、研究業績の欄に掲載している「WWW上での歌声による曲検索システム」の論文のシステムを応用したものですが、最初に開発した
1997年夏から、実際に商品化に至る2004年冬まで、7年間の月日が掛りました。
このシステムを世に出して頂いた
株式会社スウィングの古川社長様、中村様をはじめ、毎晩深夜まで開発に携わってくださった同社の皆様には、改めまして御礼申し上げます。
現在、日本国内では、各キャリアのケータイ電話端末で、「はなうた検索」を体験することができます。 Vodafone,
AU, DoCoMo の各メニューから、「★Qoolメロ★」というサイト(三井物産社の提供するサイト)にアクセスします。
受話器に向かって検索したい曲を「♪~タタタ~♪」と歌うと、
知りたかった曲名を検索でき、着メロをダウンロードできます。さらに、キャリアによって、無料で視聴もできます。
★Qoolメロ★ へのケータイでのアクセス方法 †††††† Vodafone
Live! i モード EZweb |
今後も、より良いシステムを世に出していけるように尽力致したいと思いますので、どうぞ、よろしくお願い致します。
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早稲田大学の「早稲田学報2005年6月号」に寄せた記事です。ケータイは、私の学生時代に目まぐるしく変化しました。
「ケータイの進化と音楽の流通、ハナウタ検索」
僕が学生として過ごした2003年までの9年間、電話という通信手段は、目まぐるしく進歩した。
上京して最初の4年間を過ごした早稲田の学生寮では、玄関に2台備わっていた「公衆電話」が、僕らにとって数少ない通信手段だった。それさえも、夜9時までしか使用できない規則があったので、寮生は、寒い冬の夜空の下でも、公衆電話に向けて自転車を走らせ、電話ボックスの明かりに白息を吹きかけながら、遠方の彼女との会話を弾ませていた。
学部2年のときには、ポケベルが強い味方として登場し、公衆電話を使って、あちこちで、メッセージをやり取りすることが可能になった。翌年には、PHSが普及し、公衆電話を探す必要もなくなった。そして、大学を卒業する頃には、学生もケータイ(携帯電話)を持つことが当たり前になってきた。その後、ケータイは、瞬く間にメールやインターネットの端末になった。待ち受け画面や着メロを簡単にダウンロードできるようになった。
そんなケータイの進化を肌で感じながら、当時の僕は、卒論として、人の歌声をコンピュータで波形解析し、メロディを手掛かりに曲目を言い当てるシステムを研究していた。論文を書いている最中、手元のケータイの着メロがピロピロと鳴るのを眺めながら、あと数年もすれば、このケータイで音楽が聴ける時代になるのだろうと自然に思えた。そのとき、この卒論が役立てられればと思っていた。
あれから7年。気がつけば、今では何百もあるケータイサイトの何万曲もの中から、お目当てのものを選んで、購入できるようになった。自宅でも外出先でも、毎日のように、誰かのケータイの着信音が鳴り、日常生活の中で、たくさんの音楽があふれるようになった。ケータイは音楽の流通インフラとして、重要な役割を担っている。
これだけ楽曲の流通量が増えると、自然に「あれ?あの曲のタイトル何だっけ?」という言葉が出てくる。メロディは覚えているが、タイトルが分からない曲が増えた。例えば、テレビCMで流れている、かっこいい曲の着メロが、なかなか見つけられない。外国楽曲の場合、タイトルもアーティスト名も分からないこともしばしばだ。
このような社会背景と、多くの方々の御協力により、当時の卒論は「ハナウタ検索」という名称で、ケータイ市場に登場できた。ある番号にケータイで電話し、「タタタ~♪」という歌い方で歌うと、そのメロディに似ている曲目の候補がケータイ画面に表示される、世界初のサービスとなった。多少、音程やテンポがずれて歌っても検索可能で、そのまま楽曲を試聴・購入することができる。
人の歌声は、言葉や国境に関係なく、人類共通のコミュニケーション手段の1つだ。ケータイで歌って曲検索する文化が、世界中に広まっていくことで、ますます、国際的に音楽が流通し、楽曲を探すことが、少しでも、楽しく便利になればと思う。
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