JAPANESE
ENGLISH |
グリッド・コンピューティング(あるいは単にグリッド)という言葉が、新聞雑誌などの一般メディアに頻繁に登場するようになりました。
それにつれ、仕事の打合せで、「グリッドって何ですか?」と聞かれることが多くなってきましたが、私はなるべく意味が正しく伝わるように(?)、グリッド協議会の定義を引用させて頂いて、下記のようにお答えしています。
「グリッド・コンピューティングとは、電気送電線網、"パワーグリッド(Power
Grid)" が語源です。電気は世界中どこにいっても、電化製品のコンセントプラグの形と電圧さえ合えば使うことができます。それと同じように、情報コンセントにLANケーブルを差せば、世界中どこにいっても、同じ質の情報サービスを受けることができるネットワークの仕組みをグリッド・コンピューティングと呼びます。」
一言では、最後の部分が大切だと思います。
「世界中どこにいっても、同じ質の情報サービスを受けることができるネットワークの仕組み」
グリッド・コンピューティングの定義については、正式には、グリッド協議会のサイトに掲載されています。ウタゴエ社のグリッド・コンピューティングとはのページにも引用しています。このグリッド・コンピューティングの仕組みを実現するために、ネットワークに接続される資源(例:CPUなどの計算資源、HDDなどの記憶資源、映像・音の情報資源など)を共有する技術が必要で、現在、その技術的課題に対し、世界中の研究者が取り組んでいます。
また、従来のウェブ(WWW)の次世代のネットワーク体系としても、注目を集めています。
なお、「CPUをネットワークで共有すること」が、グリッド・コンピューティングだと、しばしば間違えられていますが、これは、グリッド・コンピューティングの環境を実現する技術の1つで、「コンピューティング・グリッド」と呼ばれる技術を指してます。
CPUなど計算機資源を共有するコンピューティング・グリッドの他には、ネットワーク上でHDDストレージやデータベースを共有する「データ・グリッド」やネットワーク上で、映像・音声の共有を行うアクセスグリッド( AccessGrid) (ウタゴエ社では、Cafenet, Casting Gridという商品・サービスに応用しています) もグリッド・コンピューティングの技術の1つとされています。
グリッド・コンピューティングの定義は、各メディアが伝える内容によっても、若干、変わっているようなので、注意が必要だと思います。
"WHAT IS THE GRID?"
http://www.gridtoday.com/02/0722/100136.html
この記事には、グリッドの概念と、その概念を満たす技術的な要件について記載されていますが、具体的な技術については述べられていません。このためか、グリッド・コンピューティングの概念を実現する技術が、グリッド概念そのものだといって独り歩きすることも、多いように思われます。
Tom SONODA ©sonoda.net since 1998. |